自立支援介護とは?

超高齢化社会が進展し、今後も介護ニーズはますます高まることが予想されます。同時に、核家族化が進行している中で、介護を担う家族も高齢化し、介護問題は一層複雑化しています。

現代において、介護は個々の家庭だけの問題ではなく、社会全体で取り組むべき重要な課題となっています。このような背景から導入されたのが、介護保険制度です。この制度の中核を成すのが「自立支援介護」の理念です。これは、介護が必要な高齢者が、個々の能力に応じて、可能な限り自立した生活を送ることを目指すサポートの提供を目的としています。かつては、できないことを補う形の介護が主流でしたが、自立支援介護では高齢者の自主性を尊重し、個人のライフスタイルに合わせたケアに焦点を当てています。つまり、自分でできることは自分で行えるようサポートすることを目指しているのです。

自立支援介護サービスの提供により、「高齢者の生活の質(QOL)の向上」「生きがいや日々の活動が促進」「健康状態の改善」などが期待されます。また、自分で行える事柄が増えることにより、介護の負担も軽減されます。排泄や入浴などのプライベートな介護は、提供者だけでなく受け手にも大きなストレスを与えます。一つでも多くの生活動作を自分で行えるようになることで、双方の介護ストレスが軽減されることでしょう。

ただし、自立支援は適切に行われる必要があります。決して強制であってはならず、介護職による独断で行うことも避けるべきです。介護を受ける高齢者の気持ちを最優先に考え、自立を強要せず、それぞれのニーズに合わせた支援を行うことが、自立支援介護の本質です。(自立支援についてさらに知りたいならこちらもチェック!)